私が子供の頃、祖母は自分の歯を失い、食事が「辛い」「美味しくない」とこぼしていたのを覚えています。
父が外食や旅行を奨めても「食べたいものが食べられないから行かない」などと言って外出しなくなり、やがて寝込むようになりました。
好きなものを食べられなくなることが、こんなにも人から元気と笑顔を奪うものかと、子供ながらに悲しく感じたものです。
そんな原体験があるからか、食事の楽しみから遠のいてしまった方を見ると“もう一度好きなものを美味しく食べさせてあげたい”という強い気持ちに突き動かされます。そんな思いから、長年にわたり訪問歯科医療に積極的に取り組んできました。
私たちの訪問歯科を通じて、ご本人・ご家族・介護スタッフの皆さんなど、より多くの笑顔の輪が広がっていくことを、心から願っています。
イノマタデンタルクリニック
院長 猪股 裕士
宮城県歯科医師会 訪問歯科相談室 登録医
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員
日本口腔ケア学会会員